探偵、平松総合調査事務所がDV事案を多く手掛けることになった理由

探偵が見てきた現状(私の実体験)

私自身、探偵業を続けるなかで、多くのDV事案を見てきました。

開業して間もない頃は、配偶者からひどい暴力を受けている方を目の当たりにしても、正直なところ「ここまで暴力を受けているのに、なぜ別れないのだろう」と疑問を抱く程度でした。

けれど、私の価値観を根底から変える出来事がありました。
随分昔の話です。
ある浮気相談の依頼者さんが、相談に来るたびに顔や腕に痣(あざ)を作っていました。会話の流れで「どうしたの?」と尋ねると、その方は淡々と、こう言いました。

「旦那の機嫌を損ねると手が付けられなくて、よく殴られるんです。だから夫の浮気を突き止めて、別れたいんです。」
私は「少しでも早く証拠を押さえて、離婚できるようにしてあげたい」と思いました。ところが当時の警察は、どこか“夫婦喧嘩は犬も食わぬ”という空気が強く、民事不介入の原則もあって、相談してもまともに取り合ってもらえない時代でした。
調査は無事に終わり、報告をお渡しすると、その方は「これで夫と離婚できます」と喜んで帰られました。
しかし、その後が地獄でした。

 2週間後、その方から電話が入りました。
自宅に隠していた調査報告書が見つかり、突きつけられたうえで、殴る蹴るの激しい暴力を受け、報告書は破られ、証拠のテープも目の前で潰された、と。
「再発行できませんか?」という声は、震えていました。

報告書はデータで残っており、テープもコピーがありました。私は「再発行はできます。ですが、今はそれ以上に危険です。すぐに家を出て、離れた場所に住まいを確保して、弁護士を選任してください」と伝えました。
その方も「指示通り、自宅を出て弁護士を探して闘います」と言ってくれました。

ところが、しばらくして再び電話がかかってきました。
「平松さん、本当にお世話になりました」
そう言って電話は切れましたが、私は強烈な胸騒ぎを覚えました。
すぐに調査員に新しい住所を確認させ、現地へ向かわせました。すると、その方は浴室で自殺を図っており、発見は本当に間一髪の状況でした。
救急車を呼び、私も同乗して病院へ付き添いました。幸いにも対応が早く、命に別状はありませんでしたが、病院から警察へ通報が入り、私も経緯を説明するなど、現場は混乱しました。
この経験が、私の中で決定的な転機になりました。
「探偵は、調査して報告書を渡せば終わり――では駄目なんだ」
「調査よりも優先すべきものがあるのではないか」 そう痛感したのです。

 それ以来、私は“調査を急ぐ前に、まず話を聞く”という相談スタイルに変えました。理由は単純です。
調査優先ではなく、人命優先。
この答えに行き着いたからです。

その後、配偶者からの暴力を防止し、被害者の保護等を図ることを目的として、いわゆるDV防止法が整備されました。制定当初は「身体的な暴力」が中心に捉えられがちでしたが、現場で多くのDV事案に向き合う中で、暴力の形はそれだけではないことを私は思い知らされてきました。
特にモラルハラスメント(言葉の暴力)については、法整備が進む以前から、大阪弁護士会所属・あおば法律事務所の橋本智子弁護士よりレクチャーを受け、資料もいただきながら学び続けてきました。その積み重ねが、裁判の場でも「崩れない報告資料」として評価され、結果として勝訴につながったケースも少なくありません。
前置きが長くなりました。
ここから先は、私・平松が実践の中で組み立ててきた「DV攻略策」を、具体的にお伝えします。

DVの種類と対応について


 
現状のDVは「殴る蹴る」だけじゃない(私が現場で見てきた6つの暴力)
DVは、いまだに「殴られたらDV」「痣があればDV」みたいに思われがちです。
でも私が実務で何度も見てきたのは、痣が出る前に心と生活を壊して逃げ道を塞ぐDV”です。

DVには大きく分けて、次の 6つがあります。
身体的暴力/精神的・心理的暴力(モラハラ)/性的暴力/経済的暴力/社会的隔離/子どもを使った暴力。
そして現実は、たいてい 単発じゃなくて混ざって起こります。
だから私は、種類を知って「自分が受けているもの」を言語化できるようにしてほしいと思っています。

 1)身体的暴力 〜一番わかりやすくて、一番危険〜
DVで一番多く報告されるのは、やっぱり身体への暴力です。
・殴る蹴るはもちろん、暴力ってそれだけじゃありません。
・身体的暴力に当たる行為の例
・物を投げる、突き飛ばす、小突く
・拳で殴る、平手打ち、髪を引っ張る
・引きずり回す、首を絞める、押し倒す
・ケガしているのに「病院に行くな」と止める
・“殴るふり”で怖がらせる(これも立派な支配です)
私がここで一つだけ強く言うなら、これです。
迷わず病院へ行ってください。
そして可能なら、医師に 「夫(交際相手)から暴力を受けた」 と伝えて、カルテに残してもらってください。
診断書は、あとで自分を守る“武器”になります。
「大げさかな」と思っても、私は大げさだとは思いません。DVは放置するとエスカレートします。

2)精神的・心理的暴力(モラハラ) 〜一番厄介で、一番バレにくい〜
私はDVの相談で、ここが一番多いと感じています。
外傷がない。周りにも理解されにくい。本人も「私が悪いのかな」と思わされる。
でも、これが一番人を壊します。

・精神的・心理的暴力の例(現場でよくある形)
・大声で怒鳴る、人格否定、見下す、バカにする
・無視、会話の遮断、謝罪の強要
・不機嫌で空気を支配する、物に当たる、威嚇する
・外出を制限する、友人関係を壊す
・スマホをチェックする、位置情報を強制する、SNSのログインを要求する
・「お前は誰も相手にしない」「俺がいないと生きられない」系の言葉で縛る
ここは、一発で決着がつく証拠が出にくいのが現実です。
だから私は、いつもこう言います。
・「記録を残してください。第三者に“伝わる形”で。」
・日記(日時・場所・言われた言葉を“そのまま”・自分の体調)
LINEやメール(消さずに保存、スクショ)
・可能なら音声(危険がない範囲で。無理は絶対にしない)
・そして、心がしんどいなら早めに受診(診断書は強い)
私の経験上、モラハラの加害者は「外ではいい顔」「家の中だけ豹変」が多い。
つまり ONOFFがある。
その“ONになるタイミングが分かってくると、記録も取りやすくなります。
ただし、これはあくまで「安全が確保できる範囲」でです。危険を感じたら記録より退避です。

3)性的暴力 〜夫婦でも恋人でも、同意がないならアウト〜
ここは本当に誤解が多いです。
「夫婦だから」「付き合ってるから」――その言葉で押し切られる。
私は、こういう相談も現場で何度も見ています。

【性的暴力に当たる行為の例】
・嫌がっているのに性行為を強要する
・断ると怒鳴る、殴る、生活費を止める、外に出すなどで従わせる
・避妊に協力しない、中絶を強要する
・ポルノを見せることを強要する、性的な撮影を迫る
・「子どもができない」と一方的に責める
性的暴力は、立証が簡単じゃない。だからこそ私は、
一人で抱えず、相談先を複線にすることをすすめます。
DV相談窓口、弁護士、必要なら警察。どれか一つに賭けない。これが現実的です。

4)経済的暴力 〜今は“スマホ決済”でも縛られる〜
経済的暴力は、「貧乏だから起きる」じゃありません。
お金があっても起きます。むしろ“支配の道具”として使われます。
・経済的暴力の例
・生活費を渡さない/足りない額しか渡さない
・家計の中身を教えない、収入や貯金を隠す
・働くことを妨害する、退職を強要する
・カード・口座・スマホ決済を取り上げる
・“罰”としてお金を止める(通院費・子どもの費用も含めて)
・ここは、きれいごとじゃなくて現実です。
・逃げるにはお金がいる。段取りがいる。
だから私は、早い段階で「持ち出しセット」「最低限の資金導線」「重要書類の確保」を考えてもらいます。
これは戦い方じゃない。生き残り方です。

5)社会的隔離 〜相談相手を消されると、人は逃げられない〜
DVが深刻化すると、加害者は必ずやります。
「あなたの世界を狭くする」。
実家、友人、職場、全部を切らせる方向に動きます。
・社会的隔離の例
・実家に行かせない、友人と会わせない
・連絡手段を監視する、外出を許可制にする
・「お前の親は敵」など分断する
・交友関係を壊して孤立させる ここに入ったら、私はまずこう言います。
相談先を“外”に作ってください。加害者に知られない形で。」
孤立した状態だと判断力が落ちます。これは根性論じゃありません。人間の仕組みです。

 6)子どもを使った暴力 〜一番やってはいけない。いちばん残る〜
・子どもを巻き込むDVは、私は最悪だと思っています。
・子どもに手を上げるのはもちろん、子どもの前で暴力を見せるのもダメです。
・子どもの心に残ります。大人になっても残ります。

【子どもを使った暴力の例】

・子どもに暴力をふるう/暴力を見せつける
・「子どもを取り上げる」「会わせない」   

凄惨なDV事件


現状のDVは「殴る蹴る」だけじゃない(私が現場で見てきた6つの暴力)
DVは、いまだに「殴られたらDV」「痣があればDV」みたいに思われがちです。
でも私が実務で何度も見てきたのは、痣が出る前に心と生活を壊して逃げ道を塞ぐDV”です。

DVには大きく分けて、次の 6つがあります。
身体的暴力/精神的・心理的暴力(モラハラ)/性的暴力/経済的暴力/社会的隔離/子どもを使った暴力。 そして現実は、たいてい 単発じゃなくて混ざって起こります。
だから私は、種類を知って「自分が受けているもの」を言語化できるようにしてほしいと思っています。
1)身体的暴力 〜一番わかりやすくて、一番危険〜
DVで一番多く報告されるのは、やっぱり身体への暴力です。
・殴る蹴るはもちろん、暴力ってそれだけじゃありません。
・身体的暴力に当たる行為の例
・物を投げる、突き飛ばす、小突く
・拳で殴る、平手打ち、髪を引っ張る
・引きずり回す、首を絞める、押し倒す
・ケガしているのに「病院に行くな」と止める
・“殴るふり”で怖がらせる(これも立派な支配です)

私がここで一つだけ強く言うなら、これです。
迷わず病院へ行ってください。
そして可能なら、医師に 「夫(交際相手)から暴力を受けた」 と伝えて、カルテに残してもらってください。
診断書は、あとで自分を守る“武器”になります。
「大
げかな」と思っても、私は大げさだとは思いません。DVは放置するとエスカレートします。

2)精神的・心理的暴力(モラハラ) 〜一番厄介で、一番バレにくい〜
私はDVの相談で、ここが一番多いと感じています。
外傷がない。周りにも理解されにくい。本人も「私が悪いのかな」と思わされる。
でも、これが一番人を壊します。
・精神的・心理的暴力の例(現場でよくある形)
・大声で怒鳴る、人格否定、見下す、バカにする
・無視、会話の遮断、謝罪の強要
・不機嫌で空気を支配する、物に当たる、威嚇する
・外出を制限する、友人関係を壊す
・スマホをチェックする、位置情報を強制する、SNSのログインを要求する
・「お前は誰も相手にしない」「俺がいないと生きられない」系の言葉で縛る
ここは、一発で決着がつく証拠が出にくいのが現実です。
だから私は、いつもこう言います。
・「記録を残してください。第三者に“伝わる形”で。」
・日記(日時・場所・言われた言葉を“そのまま”・自分の体調)
LINEやメール(消さずに保存、スクショ)
・可能なら音声(危険がない範囲で。無理は絶対にしない)
・そして、心がしんどいなら早めに受診(診断書は強い)
私の経験上、モラハラの加害者は「外ではいい顔」「家の中だけ豹変」が多い。
つまり ONOFFがある。
その“ONになるタイミングが分かってくると、記録も取りやすくなります。
ただし、これはあくまで「安全が確保できる範囲」でです。危険を感じたら記録より退避です。

3)性的暴力 〜夫婦でも恋人でも、同意がないならアウト〜
ここは本当に誤解が多いです。
「夫婦だから」「付き合ってるから」その言葉で押し切られる。
私は、こういう相談も現場で何度も見ています。

【性的暴力に当たる行為の例】
・嫌がっているのに性行為を強要する
・断ると怒鳴る、殴る、生活費を止める、外に出すなどで従わせる
・避妊に協力しない、中絶を強要する
・ポルノを見せることを強要する、性的な撮影を迫る
・「子どもができない」と一方的に責める
性的暴力は、立証が簡単じゃない。だからこそ私は、一人で抱えず、相談先を複線にすることをすすめます。
DV相談窓口、弁護士、必要なら警察。どれか一つに賭けない。これが現実的です。

 4)経済的暴力 〜今は“スマホ決済”でも縛られる〜
経済的暴力は、「貧乏だから起きる」じゃありません。
お金があっても起きます。むしろ“支配の道具”として使われます。
・経済的暴力の例
・生活費を渡さない/足りない額しか渡さない
・家計の中身を教えない、収入や貯金を隠す
・働くことを妨害する、退職を強要する
・カード・口座・スマホ決済を取り上げる
・“罰”としてお金を止める(通院費・子どもの費用も含めて)
・ここは、きれいごとじゃなくて現実です。
・逃げるにはお金がいる。段取りがいる。
だから私は、早い段階で「持ち出しセット」「最低限の資金導線」「重要書類の確保」を考えてもらいます。
これは戦い方じゃない。生き残り方です。

5)社会的隔離 〜相談相手を消されると、人は逃げられない〜
DVが深刻化すると、加害者は必ずやります。
「あなたの世界を狭くする」。
実家、友人、職場、全部を切らせる方向に動きます。
・社会的隔離の例
・実家に行かせない、友人と会わせない
・連絡手段を監視する、外出を許可制にする
・「お前の親は敵」など分断する
・交友関係を壊して孤立させる
ここに入ったら、私はまずこう言います。「相談先を“外”に作ってください。加害者に知られない形で。」
孤立した状態だと判断力が落ちます。これは根性論じゃありません。人間の仕組みです。

 6)子どもを使った暴力 〜一番やってはいけない。いちばん残る〜
・子どもを巻き込むDVは、私は最悪だと思っています。
・子どもに手を上げるのはもちろん、子どもの前で暴力を見せるのもダメです。
・子どもの心に残ります。大人になっても残ります。

【子どもを使った暴力の例】
・子どもに暴力をふるう/暴力を見せつける
・「子どもを取り上げる」「会わせない」
私が警察庁データで見る「DVのいま」令和6年(2024年)分類別まとめ
DVの話は、感情や体験談だけで語られがちです。
でも私は、まず公的データで“現実の輪郭”を掴むところから始めたいと思っています。

 警察庁が公表している「令和6年(2024年)の配偶者からの暴力事案等への対応状況」を読むと、DV家庭内の出来事という言葉で片づけられる規模ではないことが、数字で見えてきます。

 1DV「相談等件数」は 94,937件(過去最多)
令和6年(2024年)に、警察が受理したDVの相談等件数は 94,937件。前年より +6,318件(+7.1%)増え、DV防止法施行後で最多です。
ここでいう「相談等件数」は、配偶者からの身体に対する暴力や生命等に対する脅迫などの相談を警察が受理した件数です。さらに、令和641日以降は、法改正の関係で「自由・名誉・財産に対する脅迫」も計上されています。

 2)【被害者分類】性別と年齢
私がまず注目したのは、被害者の内訳です。
被害者の性別(令和6年)
男性:28,214件(29.7%
女性:66,723件(70.3%

被害者の年齢(令和6年)
19歳以下:1,320件(1.4%
20歳代:22,375件(23.6%
30歳代:24,523件(25.8%
40歳代:20,349件(21.4%
50歳代:12,727件(13.4%
60歳代:5,326件(5.6%
70歳以上:8,281件(8.7%
数字を見ると、私はこう感じます。
DVは若年層だけの問題でも、子育て世代だけの問題でもない。高齢層にも確実に存在している。

 3)【加害者分類】性別と年齢
次に、加害者側の内訳です。
加害者の性別(令和6年)
男性:66,185件(69.7%
女性:28,752件(30.3%
加害者の年齢も、2050代が厚い一方、70歳以上も一定数あります。

 4)【関係性分類】「誰からのDVか」

DVというと「夫婦間」を想像する人が多いのですが、データはもう少し幅があります。
婚姻関係(元含む):69,496件(73.2%
内縁関係(元含む):6,293件(6.6%
同居交際(元含む):19,148件(20.2%
私がここで強調したいのは、“元”が含まれていることです。
関係が切れた後でも、暴力や支配が終わるとは限らない数字がそれを示しています。

5)【検挙分類】
DV
防止法違反/刑法犯等(罪種別)
「相談が多い」だけでなく、実際に検挙されている犯罪も具体的に出ています。
DV防止法:保護命令違反の検挙… 69件(前年比+20件)
DVに関連する刑法犯・他の特別法犯の検挙… 8,421件(前年比-215件)
そして、刑法犯等の罪種別内訳(令和6年)はこうです(主要なものを数字のまま並べます)。
・殺人(既遂)3
・殺人(未遂)129
・傷害 2,652
・暴行 4,672
・脅迫 138
・不同意性交等 24
・不同意わいせつ 4
・住居侵入 47
・逮捕監禁 16
・器物損壊 100
・公務執行妨害 54
・現住建造物等放火 22
・暴力行為等処罰法違反 379
・銃刀法違反 42
・その他 139
私はこの表を見て、「DV殴る蹴るだけではない」と改めて思います。
住居侵入、監禁、放火、性犯罪にまで連続しているこれは“家庭の揉め事”の範囲を超えています。

6)【対応分類】DV防止法に基づく対応(警察の実務)
警察が、DV防止法に基づいて行った対応も数字で出ています。
・医療機関からの通報の受理:112
・裁判所からの書面提出要求への対応:1,441
・裁判所からの保護命令通知の受理:1,170
・保護命令通知(1,170件)の内訳(令和6年)
・接近禁止命令のみ:71
・退去命令のみ:1
・接近禁止命令・退去命令:19
・接近禁止命令・電話等禁止命令:772
・接近禁止命令・電話等禁止命令・退去命令:307

7)【援助分類】警察本部長等の援助(被害者支援の種類別)
「警察本部長等の援助」の申出受理件数は、令和6年に 19,689件。
・支援の種類別(令和6年/複数計上あり)
・被害を自ら防止するための措置の教示:9,517
・住民基本台帳閲覧等に係る支援:3,780
・行方不明者届への対応:1,592
・上記両方:1,178
・被害防止交渉に関する事項についての助言:1,566
・加害者への被害防止交渉のための必要な連絡:674
・被害防止交渉を行う場所としての警察施設の利用:390
・その他:11,476
私はここで、支援が“精神論”ではなく、住所秘匿や安全確保の実務として動いていることに注目しています。
私の結論:DVは「相談の数」だけで終わっていない
令和6年のDVは、相談が過去最多の 94,937件。
そして、検挙の内訳を見れば、暴行・傷害に限らず、殺人未遂、放火、性犯罪まで含む「犯罪の束」として現れている。私はそう受け止めています。

・DV加害者の正体は自己愛性パーソナルティ症 (DSM-5・ICD-11)

DV加害(支配・暴力)と「自己愛性パーソナリティ症(NPD)」は、行動として重なる部分が多いため、被害者側が「これは自己愛なのでは?」と感じやすい組み合わせです。ただし大事なのは、診断は医師しかできないこと、そして“NPDかどうか”より“危険な支配や暴力が起きているか”で対応を決めることです。

1) DV×自己愛傾向で起きやすい“典型パターン”
DV加害者に自己愛的な特性が強い場合、次の流れが目立ちます。
理想化 → 価値下げ → 罰(/切り捨て)
最初は過剰に褒める・依存させる(いわゆる“ラブボミング”)→次第に人格否定→無視・脅し・暴力・経済制裁
外面が良い/被害者を悪者にする
周囲には良い人、家では攻撃的。別居や相談をすると「相手がおかしい」と吹聴
“傷つけられた自分”を主語にして支配する
「お前が俺を怒らせた」「お前のせいでこうなった」など、責任転嫁で相手を黙らせる
ガスライティング(現実改ざん)
「そんなこと言ってない」「被害妄想だ」などで、あなたの判断力を削る
DARVO(否認→攻撃→被害者役)
追及されると、①否認→②逆ギレ→③自分が被害者だと主張、がセットになりやすい

2) “自己愛っぽい”と感じるポイント(※診断ではなく見立ての材料)
次が強いほど、話し合いで改善しにくく、危険が長期化しやすいです。
・謝罪が形だけ/結局「でもお前も悪い」で終わる
・境界線(嫌だ・やめて)を尊重しない
・嫉妬や監視(スマホ、交友、行動、金)を正当化する
・恥をかく・否定されると激昂(“自己愛の傷つき”で爆発)
・子どもや周囲を巻き込んで味方作り(分断・三角関係化)
・暴力後に優しくなる→「やっぱりこの人は…」と戻らせる(周期化)
※ここまで揃うなら、第三者にその内容を聞いていただくことが必要です。

3) 被害者側の“現実的な第一歩”(安全優先)
「相手を治す」より、あなたと子どもの安全を増やす手順が先です。
“軽傷”でも受診しておく(後で重く見えてくるケースがある)

2)写真(ケガ・壊された物・荒れた部屋)──その瞬間を固定する
なぜ強いか
DVは時間が経つと消えます。
あざも腫れも、壊れた物も、片付けられてしまう。だから写真は強い。
撮り方(裁判・警察を意識するなら)
複数枚・複数角度で撮る
「それが誰のケガか」が分かるように、顔+傷が同一枚に入る写真も混ぜる
可能なら 撮影日・場所・状況メモを残す(スマホのメモでOK)
壊された物も「全体→近接→部品」みたいに段階撮影すると説明しやすい
※相手がスマホ検閲をしている場合、撮影や保存自体が危険になることがあります。その場合は“撮ること”より安全を優先してください。

3)LINE(トーク履歴)──言葉の暴力・脅し・支配が残る
なぜ強いか
モラハラや脅しは外傷が残りません。
でもLINEには「支配の文章」が残ります。これは後で効きます。

保存の基本(改ざん疑いを減らす)
スクショは「相手名/日時/文面」が全部見える状態で撮る

会話の流れが分かるように、必要箇所は連続で残す
文字起こしやコピペより、画面そのものの方が「編集した?」と言われにくい

4)メール“時系列”と“継続性”を示しやすい
なぜ強いかですがメールは日時が明確で、長期間の積み重ね(継続性)を示しやすい。
「繰り返されていた」という説明がしやすくなります。

保存のコツ
消さない(相手が消す可能性があるならバックアップ)
印刷保存+データ保存の二重が安心
件名・送信者・送信日時が分かる形で保管

5)音声(録音)“声の圧”は文章以上に伝わる
なぜ強いか

「そんな言い方してない」「脅してない」という否認に強い。
特に精神的DVは、録音があると状況が一変することがあります。
ただし注意:集め方が雑だと逆効果になることもある
一般論として、会話の当事者が自分の身を守るために録音するのは「基本的には違法ではない」と説明されることがあります(ケースにより判断)。
一方で、脅迫・不法侵入など“反社会的な手段”で集めた録音は、証拠として否定される可能性がある、とも整理されています。

現実的な録り方(安全第一)
自分がその場にいる会話だけにする(第三者間の盗聴はNG)
「いつ/どこで/何があったか」のメモを添える
危険が増すなら録音より退避
まとめ:証拠は“戦うため”じゃなく、“守るため”に集める
私が相談者に伝えるのは、これです。
証拠集めは復讐のためじゃない。あなたが安全に生きるためです。
そして、証拠は「単品」より「セット」で強くなります。

診断書(第三者)

写真(現場)

LINE・メール(継続性)

音声(圧力・脅しの生々しさ)


・DVと共依存について


DVと共依存について「なぜ別れなかったの?」の裏側で起きていること
ニュースでDVが原因と思われる凄惨な事件が報道されるたびに、決まって出てくる言葉があります。
「そこまでされているのに、なぜ別れなかったの?」
私も昔は、正直その疑問を持った側の人間でした。
でも、現場で相談を受け続けるうちに分かってきたのは、DV殴る蹴るの問題だけじゃない、ということです。
DVは、相手の心と生活を少しずつ削り、判断力を落とし、逃げ道を塞いでいきます。
その結果として、被害者が 「正常な判断ができない状態」に追い込まれているケースが実際に少なくありません。
私は日々、DV相談を聞く中で、体感として相談者のかなりの割合が「依存状態」に近いところまで追い詰められていると感じています。
そこで避けて通れないのが、「共依存」という考え方です。
共依存とは何か(DVの現場で起きる縛りの構造)
共依存は、もともと 「アルコール依存症の夫」と「その面倒を見る妻」の関係性を説明する言葉として、アメリカで使われ始めたと言われています。
厚労省関連の情報でも、共依存は「依存症者に必要とされることで存在価値を見いだし、結果として依存が維持される周囲の人の在り方」といった趣旨で説明されています。
ここで大事なのは、誤解してほしくない点です。
共依存という言葉は、被害者を責めるための言葉ではありません。
むしろ「そうならざるを得ない状態に追い込まれる仕組みがある」という、“構造の説明”です。
DVの関係は、外から見れば「別れたらいいじゃないか」で済むように見えます。
でも中では、こんなことが起きています。
怖さで思考が止まる
「私が悪い」「私さえ我慢すれば」と刷り込まれる
逃げようとすると、優しくなる(謝る・泣く・縋る)期待を持たされる
お金を握られる、外部との連絡を切られる、行動を監視される
子どもや家族を盾にされる
「出て行ったら終わりだぞ」と現実的な脅しを受ける
こういう環境が続くと、被害者は“心”だけじゃなく、“生活”ごと縛られます。
だから「別れない」のではなく、「別れられない状態にされている」ことが多いのです。
「共依存っぽい状態」に入っているときに起きやすいこと
アルコール依存の例では、「注意しすぎて否認を強める」「後始末をして問題が表に出ない」「離れられず犠牲者役を続ける」といった関係性が挙げられています。
DVでも、形は違っても似た構造が起きます。
たとえば
加害者の機嫌が最優先になり、生活の中心が「地雷回避」になる
いつの間にか、暴力の前後の“優しさ”にすがってしまう
「私が支えないとこの人は壊れる」と思い込まされる
外に相談しようとすると罪悪感が出る(=支配の効果)
証拠を取ろうとしても怖くてできない/取ったのに消してしまう
逃げる話をすると、子ども・お金・世間体で脅されて止まる
私はこういう状態に入っている相談者に、最初から「決断してください」とは言いません。 決断以前に、まず 判断力を取り戻す環境が必要だからです。
私がここで一つだけ、はっきり言いたいこと
「共依存かもしれない」と気づいた時点で、もう一人で抱える段階は終わりです。
DVは、当事者だけで解決しようとすると、だいたい悪化します。  。

大切なことは、勇気です。

 言葉の暴力-精神的な暴力-性的な暴力-金銭的な暴力について
 -モラルハラスメントについて-
 まず、配偶者の怒りと制止を考えてみて下さい。 
 どうすれば怒りのスイッチが入るか? どうすれば怒りのスイッチが治まるか?

これを見極めて、会話の録音を継続して行ってください。
モラ夫・モラ妻の大きな特徴として、怒りが爆発すれば言葉の中に必ず矛盾と自己中心的な考えが現れてきます。
これを録音し反訳していくこと、そして日記として記録することが重要です。

共依存状態から抜け出すための「現実的な第一歩」私はこう段取りを組みます
ニュースでDVが原因と思われる事件が報道されるたびに、必ず出てくる言葉があります。
「そこまでされているのに、なぜ別れなかったの?」
でも、現場で相談を受けている私は、あの言葉を簡単に言えません。
DVの中にいる人は、多くの場合「別れない」のではなく、別れられない状態に追い込まれています。支配・孤立・恐怖・経済それが絡み合うと、判断力が落ちます。

厚生労働省の「こころの情報サイト」でも、特定の相手との関係に依存して離れられない状態を「共依存」と表現し、本人が“存在価値”を相手との関係に見いだしてしまう苦しさが語られています。
だから私は、共依存っぽい状態の相談者に、いきなり「別れましょう」とは言いません。
先にやるべきは、決断ではなく 段取り です。

 第一歩は「外部導線を1本つなぐ」こと
共依存状態から抜ける最初の一歩は、気合いでも根性でもありません。
外部に1本つなぐ。 これです。
「誰にも言えない」「言ったら崩れる」「でも限界」この状態のまま頭の中だけで考えるほど、動けなくなります。
だから、まず“外”を入れます。ここからすべてが始まります。

 先に言います。危険なら迷わず110です。
次のどれかがあるなら、私は“段取り”より先に安全を取ります。
・首を絞める、刃物を出す、物を壊す
・「殺す」「家族ごと潰す」などの脅し
・逃げようとすると暴力が強くなる
・子どもの前で暴れる、子どもを盾にする
・自治体の案内でも、DVで「緊急の場合は、ためらわず110番通報」と明記されています。

 1. まず相談先を固定する
私はここを最初に固めます。
理由は簡単で、共依存状態のときは、1人で判断できないからです。
すぐ使える窓口(全国共通)DV相談ナビ:#8008
どこに相談すればいいか分からない人が、近くの配偶者暴力相談支援センターにつながるための番号です。
DV相談+(プラス):0120-279-88924時間)
専門の相談員が対応し、状況によっては安全な居場所の提供も案内されています。

 DVに限らず)女性相談支援センター:#8778
都道府県が設置する相談窓口で、困難を抱える女性の相談と支援を行う、と案内されています。
ここで大事なのは、一回で全部話そうとしないこと。
まず「つながる」。次に「状況整理」。その次に「安全の段取り」この順番でいいんです。

2. “バレない連絡手段を確保する(ここが今のDVの特徴です)
いまのDVは、スマホが支配の道具になっていることがあります。
通話履歴、SNS、位置情報、パスコードここを握られていると、相談しようとした瞬間に火がつくケースがある。
だから私は、最初にこう確認します。
・履歴を見られていないか
・位置情報共有を強制されていないか
・スマホを取り上げられることがあるか
・連絡先やメッセージを勝手に消されることがあるか
・怪しいなら、自分のスマホから無理に動かない。
・家族・友人の端末、職場、公衆電話など「相手の支配が届かない回線」で、まず一本つなぐ。これだけで安全度が変わります。

 3. 今日やることは3つだけ(決断はまだ要りません)
共依存状態のとき、やることを増やすと止まります。
私は最初の24時間は、これだけに絞ります。

 今日やる3
・相談先を1つ決めて、短く電話する(#8008 0120-279-889
・危険時の退避先を1つ決める(実家・友人宅・ビジネスホテル等。住所を紙に書く)
・持ち出しの“袋”を1つ作る(完璧不要)

 4. 72時間で固める「持ち出しセット」(私はこれを保険と言います)
逃げるかどうかは、まだ決めなくていい。
でも“逃げられる状態”を作っておかないと、いざという時に詰みます。

 最低限の持ち出し
・身分証/保険証(コピーでも可)
・現金(少額でもいい)
・鍵/充電器/常備薬
・重要書類(通帳、カード、保険、年金、賃貸、車関係)
・子どもがいる場合:母子手帳、必要書類、最低限の衣類
・ポイントは「静かに」「少しずつ」。
一気にやるとバレます。DVはバレた時が一番危ない。

 5. 記録は戦うためじゃない。守るために残す
ここ、私は何度でも言います。命が危ないなら記録より退避
・安全が確保できる範囲で、残せるものだけでいい。
・日記(日時・場所・何が起きたかを短く)
・メッセージ(削除しない/スクショ)
・ケガの写真(可能なら日付が分かる形) 病院への受信
・録音などで不安があるなら、先に支援機関や弁護士に確認してからで十分です。
無理して“証拠マニア”になる必要はありません。

 6. 一番よくある失敗:「一度逃げたのに戻される」
共依存状態の人が抜け出す時、現場で一番多いのはこれです。
逃げた、でもお金が続かない、子どもの生活が回らない、周囲に言えない
結局、戻るそしてDVが悪化する
だから私は、最初から「居場所」と「支援」を一緒に組みます。
DV相談+では、状況によって安全な居場所の提供も案内されています。

共依存から抜けるのは「愛がないから」じゃない
共依存状態にいる人は、弱いわけじゃない。
むしろ我慢して、耐えて、支えてきた人が多い。
でも私は、あえて冷たく言います。
あなたが壊れたら終わりです。
まず“外”を入れて、判断力を取り戻す。
それが「現実的な第一歩」です。

平松の武器

音声は、DVを立証する武器です。
 
私は、事案や状況に応じて様々なボイスレコーダー使用しています。
ボイスレコーダーは低価格の海外産は使用しません。 基本的にオリンパス・Sony・海外産ならTASCOM・ZOOM
スマートフォンで録音する場合は、無料アプリPCM録音(android・iPhone共に可能)を使用しています。
また最近ではAIを搭載した機器
 Plaud NotePin・Plaud Note Proを使用しています。
 Plaud NotePinPlaud Note Pro は、どちらも「録音 → アプリで 
 AI文字起こし・要約」までを一気通貫でやる AIボイスレコーダーです( 112言語対応の文字起こし、要約テンプレート、発言者ラベル等)
 ポイントとして、雑音となるテレビや音楽など音がない状態で相手との 
 会話が被さらないように心がけて話をすると翻訳・要約が楽です。
 器機については公式サイトをご覧ください。
 Plaud