最低限必要な法律用語をまとめてみました。


家事事件・離婚・DV・不貞対応で使う法律

1 最初にやること:争点を先に確定する

離婚で揉める論点は、だいたい次の5群に集約されます。

  1. 婚姻を続けられない理由(離婚原因・有責性)
  2. 子ども(親権・監護・面会交流・養育費)
  3. お金(財産分与・慰謝料・婚姻費用・年金分割)
  4. 証拠(何を、いつ、どう立証するか)
  5. 手続の選択(協議調停審判裁判、どこで勝ちに行くか)

  • 離婚原因(民法上の離婚原因/「婚姻を継続し難い重大な事由」等)を、事実で説明できる
  • 自分に不利な事実(有責性・暴言・DV・不貞疑い等)を、相手がどう使ってくるか想定できている
  • 相手の反論に対して「反証(否定)」「補強証拠」「時系列」で返せる
  • 共有財産/実質的共有財産/特有財産の区別を、資料で示せる
  • 子どもの生活実態(監護の現状、学校・医療・福祉、支援者)を説明できる
  • 面会交流の現実的な運用案(日時・受渡し・連絡手段・安全配慮)を出せる
  • 養育費・婚姻費用は、相手の収入資料の当たりを付けている
  • 交渉の落としどころ(譲る条件/譲れない条件)を一文で言える
  • 相手が動く前に、必要な保全(財産・証拠・子の安全)を検討済み
  • 「弁護士に渡すべき資料セット」を作ってある(後述)

2 協議離婚:一番早いが、一番事故が多い

2-1 協議離婚とは

夫婦の話し合いで条件を決め、市区町村に離婚届が受理されると成立する離婚です。
早い反面、決め方が甘いと、後で回収不能になります。

協議で最優先なのは、「口約束をやめること」です。
条件は、合意書(できれば公正証書)に落とし込みます。養育費など将来分割払いがあるなら、公正証書にしておく価値は極めて高いです。

2-2 協議で詰めるべき条項(実務の標準セット)

あなたの原案の項目は、実務的に正しい方向です。私は次の順で整理します。

  1. 不貞等の事実確認(事実の特定/証拠の所在/争わない旨)
  2. 離婚の合意(届出日/離婚届の管理)
  3. 親権(単独/共同)・監護(監護者/居所)
  4. 面会交流(頻度/方法/受渡し/連絡/安全配慮/中止条件)
  5. 養育費(額/期日/終期/一時金/増減額/特別費用)
  6. 特別費用(入院・進学・療育・福祉など、誰が何割負担か)
  7. 慰謝料(額/支払方法/期限の利益喪失/遅延損害金)
  8. 財産分与(対象財産・評価日・分与方法・名義変更)
  9. 年金分割(割合・手続協力)
  10. 清算条項(例外の明記が重要:養育費・面会交流・年金等は清算対象外)
  11. 連絡・紛争条項(協議調停の合意、管轄合意など)

協議離婚で事故る典型パターン

  • 養育費の終期が曖昧(「成人まで」だけで、大学・就学・障害等の扱いが抜ける)
  • 面会交流が抽象的(「月1回」だけで、受渡し・連絡・中止条件がない)
  • 財産分与の対象財産が特定されていない(口頭で「だいたい半分」)
  • 退職金・保険・株・仮想通貨・会社資産・借入の扱いが抜ける
  • 公正証書にせず、支払が止まった瞬間に手詰まり
  • 清算条項で全部終わりにしてしまい、例外が書かれていない
  • DV/モラハラ/性暴力の安全配慮なく、面談や交渉を強行してしまう

3 調停:現実の主戦場。勝負は「準備の質」で決まる

3-1 離婚調停(夫婦関係調整調停)

協議が無理、または条件がまとまらない場合に、家庭裁判所で行う話し合い手続です。
調停委員が間に入り、原則として当事者同士を直接対面させずに進めます。

調停は「話し合い」ですが、実務ではこう割り切った方が勝てます。
調停は 交渉の場であり、同時に 立証の予告編です。
相手に「この人は次で勝つ」と思わせた側が有利になります。

3-2 調停で決めるべき範囲

離婚そのものだけでなく、親権・監護・面会交流・養育費・財産分与・年金分割・慰謝料などを同時に扱います。

ここで家族法改定のポイントが効いてきます。
離婚後の子の養育に関して、制度は「子の利益」を軸に、親の関与・負担・履行確保を整理する方向で改正されています。

用語集

1 離婚・婚姻の基本

  • 協議離婚(きょうぎりこん):当事者の合意で離婚届を提出して成立する離婚。
  • 調停離婚(ちょうていりこん):調停で合意し、調停調書により成立する離婚。
  • 審判離婚(しんぱんりこん):審判(合意に相当する審判等)により成立する離婚。
  • 裁判離婚(さいばんりこん):訴訟の判決により成立する離婚。
  • 和解離婚(わかいりこん):離婚訴訟中の和解調書により成立する離婚。
  • 離婚原因(りこんげんいん):離婚を法的に認める根拠となる事由。
  • 法定離婚事由(ほうていりこんじゆう):民法所定の裁判離婚原因。
  • 不貞行為(ふていこうい):配偶者以外との自由意思に基づく性的関係。
  • 有責配偶者(ゆうせきはいぐうしゃ):婚姻破綻の主要原因を作った配偶者。
  • 婚姻関係の破綻(こんいんかんけいのはたん):婚姻共同生活が回復困難に崩壊した状態。
  • 別居(べっきょ):夫婦が同居しないで生活する状態。
  • 悪意の遺棄(あくいのいき):正当理由なく同居・協力・扶助義務を放棄すること。
  • 婚姻費用(こんいんひよう):婚姻から生ずる生活費等の分担義務に基づく費用。
  • 婚姻費用分担(こんいんひようぶんたん):婚姻費用を分担させる手続・請求。
  • 扶養義務(ふようぎむ):親族等が生活保持・生活扶助を行う義務。
  • 生活保持義務(せいかつほじぎむ):配偶者等の生活水準を同程度に維持する義務。
  • 生活扶助義務(せいかつふじょぎむ):最低限度の生活を扶助する義務。

2 親権・監護・面会交流(親子交流)

  • 親権(しんけん):未成年の子の身上監護・財産管理に関する権利義務。
  • 共同親権(きょうどうしんけん):父母が共同で親権を行使すること(離婚後含む制度)。
  • 単独親権(たんどくしんけん):父母の一方が親権を行使すること。
  • 監護権(かんごけん):子の監護・養育に関する権限(身上監護部分)。
  • 監護者(かんごしゃ):子を監護する者(親権者と一致しない場合がある)。
  • 監護者指定(かんごしゃしてい):子の監護者を裁判所が定めること。
  • 子の引渡し(このひきわたし):子を監護者等へ引き渡すこと(審判・保全あり)。
  • 面会交流(めんかいこうりゅう):別居親と子が面会・連絡等により交流すること。
  • 親子交流(おやここうりゅう):面会交流の言い換え(実務用語)。
  • 子の利益(このりえき):子にとって最善の利益(判断基準)。
  • 子の福祉(このふくし):子の健全な成長・利益を図る理念(判断基準)。
  • 監護親(かんごおや):主として子を監護している親。
  • 非監護親(ひかんごおや):同居せず監護していない親。
  • 共同監護(きょうどうかんご):父母が分担して監護する状態(合意内容として問題化)。
  • 監護実績(かんごじっせき):これまでの養育・世話の実績(判断要素)。
  • 監護能力(かんごのうりょく):子を安定的に養育する能力(判断要素)。
  • 監護補助者(かんごほじょしゃ):祖父母等の養育支援者(判断要素)。

3 お金(養育費・財産分与・慰謝料・年金)

  • 養育費(よういくひ):子の生活・教育等に要する費用。
  • 算定表(さんていひょう):婚姻費用・養育費の算定目安表。
  • 特別費用(とくべつひよう):学費・医療費等、算定表に含まれにくい費用。
  • 財産分与(ざいさんぶんよ):婚姻中に形成した財産を離婚に際して分ける制度。
  • 清算的財産分与(せいさんてきざいさんぶんよ):共有財産の清算を目的とする分与。
  • 扶養的財産分与(ふようてきざいさんぶんよ):離婚後生活の扶助を目的とする分与。
  • 慰謝料的財産分与(いしゃりょうてきざいさんぶんよ):損害賠償要素を含む分与。
  • 特有財産(とくゆうざいさん):婚姻前財産・相続贈与財産など原則分与対象外の財産。
  • 共有財産(きょうゆうざいさん):婚姻中の協力で形成された分与対象財産。
  • 実質的共有財産(じっしつてききょうゆうざいさん):名義にかかわらず実質的に共有と評価される財産。
  • 名義財産(めいぎざいさん):一方名義で保有される財産(実質判断の対象)。
  • 退職金(たいしょくきん):分与対象となり得る将来給付(形成・見込により評価)。
  • 年金分割(ねんきんぶんかつ):婚姻中の厚生年金等の記録を分ける制度。
  • 合意分割(ごういぶんかつ):当事者合意により按分割合を定める年金分割。
  • 3号分割(さんごうぶんかつ):一定要件下で請求により按分(原則1/2)する分割。
  • 慰謝料(いしゃりょう):不法行為等による精神的損害の賠償金。
  • 不法行為(ふほうこうい):故意過失により権利利益を侵害する行為(民法709条)。
  • 損害賠償(そんがいばいしょう):損害を金銭等で填補すること。
  • 遅延損害金(ちえんそんがいきん):履行遅滞による損害金(利息様)。

4 家庭裁判所の手続(調停・審判・訴訟)

  • 家事事件(かじじけん):家庭に関する事件(家裁の手続対象)。
  • 家事調停(かじちょうてい):家裁での話合い手続。
  • 調停前置主義(ちょうていぜんちしゅぎ):人事訴訟の前に調停を要する原則。
  • 調停成立(ちょうていせいりつ):合意が成立し調停調書に記載された状態。
  • 調停不成立(ちょうていふせいりつ):合意不能として調停が終了すること。
  • 調停取り下げ(ちょうていとりさげ):申立人が調停申立てを撤回すること。
  • 調停条項(ちょうていじょうこう):調停で合意した内容の条項。
  • 調停調書(ちょうていちょうしょ):合意内容を記載した裁判所作成の公文書。
  • 家事審判(かじしんぱん):裁判官の判断で結論を出す手続。
  • 審判書(しんぱんしょ):審判内容を記載した書面。
  • 審判確定(しんぱんかくてい):不服申立て期間経過等で審判が確定すること。
  • 抗告(こうこく):審判に対する不服申立て。
  • 即時抗告(そくじこうこく):短期の不服申立て(類型により期限が厳格)。
  • 人事訴訟(じんじそしょう):身分関係(離婚等)に関する訴訟。
  • 訴状(そじょう):訴訟を提起する書面。
  • 答弁書(とうべんしょ):被告側の初期反論書面。
  • 準備書面(じゅんびしょめん):主張・反論を整理する提出書面。
  • 陳述書(ちんじゅつしょ):当事者・証人の事実経過を記載した書面。
  • 口頭弁論(こうとうべんろん):裁判所での審理期日。
  • 弁論準備手続(べんろんじゅんびてつづき):争点・証拠を整理する手続。
  • 証拠説明書(しょうこせつめいしょ):証拠の趣旨・立証趣旨を整理する書面。
  • 甲号証(こうごうしょう):原告側の書証番号。
  • 乙号証(おつごうしょう):被告側の書証番号。
  • 立証(りっしょう):証拠で事実を認定させること。
  • 証明責任(しょうめいせきにん):事実が証明できない場合に不利益を負う当事者の責任。
  • 争点(そうてん):裁判所が判断すべき主要な対立点。
  • 釈明(しゃくめい):裁判所が当事者に主張・立証の明確化を求めること。
  • 管轄(かんかつ):どの裁判所が事件を扱う権限を持つか。
  • 合意管轄(ごういかんかつ):当事者の合意により裁判所を定めること(許容範囲あり)。
  • 送達(そうたつ):裁判所書類を当事者に正式に届けること。
  • 受理(じゅり):申立て・訴えを裁判所が正式に受け付けること。
  • 事件番号(じけんばんごう):裁判所が付す管理番号。

5 強制執行・保全(回収・確保)

  • 強制執行(きょうせいしっこう):債務名義に基づき財産を差し押さえ回収する手続。
  • 債務名義(さいむめいぎ):強制執行の根拠となる文書(判決・調停調書等)。
  • 執行文(しっこうぶん):執行を可能にする付記(類型により要否あり)。
  • 差押え(さしおさえ):債務者の財産処分を禁止し回収に充てる措置。
  • 仮差押え(かりさしおさえ):将来の執行に備え財産を仮に確保する保全。
  • 保全命令(ほぜんめいれい):仮差押え・仮処分等の裁判所命令。
  • 仮処分(かりしょぶん):権利関係・状態を暫定的に定める保全。
  • 間接強制(かんせつきょうせい):不作為・作為義務の履行を金銭で促す制度。
  • 履行勧告(りこうかんこく):家裁が任意履行を促す制度(執行ではない)。

6 DV・安全関連(家事・刑事の交差点)

  • DV防止法(でぃーぶいぼうしほう):配偶者暴力の防止・保護に関する法律。
  • 保護命令(ほごめいれい):接近禁止等を命じる裁判所の命令。
  • 接近禁止命令(せっきんきんしめいれい):被害者等への接近を禁じる命令。
  • 退去命令(たいきょめいれい):住居からの退去を命じる命令。
  • 電話等禁止命令(でんわとうきんしめいれい):電話・SNS等の接触を禁じる命令。
  • 保護命令違反(ほごめいれいいはん):保護命令に違反する行為(刑事責任の対象)。

7 親子・身分(親子関係/戸籍)

  • 嫡出子(ちゃくしゅつし):婚姻中等に出生し嫡出推定が及ぶ子。
  • 非嫡出子(ひちゃくしゅつし):婚姻外で出生した子。
  • 認知(にんち):父が子を自分の子として法的に認めること。
  • 任意認知(にんいにんち):父が任意に行う認知。
  • 強制認知(きょうせいにんち):裁判で認知を命じること。
  • 親子関係不存在確認(おやこかんけいふそんざいかくにん):法的親子関係がないことの確認手続。
  • 子の氏の変更(このうじのへんこう):家裁許可により子の氏を変更する手続。
  • 婚氏続称(こんしぞくしょう):離婚後も婚姻中の氏を称する届出。
  • 復氏(ふくうじ):離婚により婚姻前の氏に戻ること。

8 その他(相談・書面で頻出)

  • 内容証明郵便(ないようしょうめいゆうびん):文書内容と差出日を郵便局が証明する制度。
  • 公正証書(こうせいしょうしょ):公証人作成の公文書(強制執行認諾条項で執行力)。
  • 清算(せいさん):財産関係を整理し確定すること。
  • 合意(ごうい):当事者の意思一致。
  • 解除(かいじょ):契約等の効力を将来に向かって消滅させること。

家裁で実際に出る書面名・条項名 用語集(書面・条項名のみ)

1) 申立て・基本書面(家裁)

  • 申立書(もうしたてしょ):家裁手続を開始する書面。
  • 事情説明書(じじょうせつめいしょ):経緯・争点を要約して示す書面。
  • 進行に関する照会書/回答書(しんこう):期日希望・連絡先等の確認書面。
  • 戸籍謄本(こせきとうほん):身分関係を証明する公的書面。
  • 住民票(じゅうみんひょう):住所関係を証明する公的書面。
  • 収入資料(しゅうにゅうしりょう):源泉徴収票・課税証明・給与明細等の総称。
  • 資産資料(しさんしりょう):通帳写し・残高証明・保険証券等の総称。
  • 年金分割のための情報通知書(ねんきんぶんかつ):年金分割に必要な情報書面。
  • 連絡票(れんらくひょう):当事者情報・連絡方法を記載する書面。

2) 調停で頻出の書面・記録

  • 調停期日通知書(ちょうていきじつつうちしょ):期日(日時場所)を通知する書面。
  • 期日呼出状(きじつよびだしじょう):出頭を求める送達書面。
  • 調停調書(ちょうていちょうしょ):合意内容を記載した裁判所記録。
  • 調停条項(ちょうていじょうこう):調停調書に記載される合意条項。
  • 調停に代わる審判(ちょうていにかわるしんぱん):一定の場合に調停の代替となる審判。
  • 調停不成立調書(ちょうていふせいりつちょうしょ):不成立で終了した記録。
  • 取下書(とりさげしょ):申立てを撤回する書面。

3) 審判で頻出の書面・決定

  • 審判書(しんぱんしょ):審判内容を記載した裁判所書面。
  • 審判確定証明書(しんぱんかくていしょうめいしょ):審判の確定を証明する書面。
  • 審判申立書(しんぱんもうしたてしょ):審判手続を求める申立書。
  • 即時抗告状(そくじこうこくじょう):審判に対する不服申立ての書面。
  • 抗告理由書(こうこくりゆうしょ):不服理由を整理して提出する書面。

4) 家裁訴訟周辺で頻出の書面(離婚等)

  • 訴状(そじょう):離婚等の訴えを提起する書面。
  • 答弁書(とうべんしょ):被告側の基本的な反論書面。
  • 準備書面(じゅんびしょめん):主張・反論を整理する書面。
  • 陳述書(ちんじゅつしょ):当事者等が事実経過を記載する書面。
  • 証拠説明書(しょうこせつめいしょ):証拠の趣旨を整理する書面。
  • 書証(しょしょう):文書による証拠の総称。
  • 甲号証(こうごうしょう):申立人/原告側の書証番号。
  • 乙号証(おつごうしょう):相手方/被告側の書証番号。

5) 子ども・監護系で頻出の申立て名(事件名として出る)

  • 夫婦関係調整調停(ふうふかんけいちょうせいちょうてい):円満/離婚の調停事件名。
  • 婚姻費用分担請求調停(こんいんひようぶんたん):婚費の調停事件名。
  • 養育費請求調停(よういくひ):養育費の調停事件名。
  • 面会交流調停(めんかいこうりゅう):面会交流の調停事件名。
  • 監護者指定調停(かんごしゃしてい):監護者指定の調停事件名。
  • 子の引渡し調停/審判(このひきわたし):子の引渡し手続の事件名。
  • 親権者変更調停(しんけんしゃへんこう):親権者変更の調停事件名。
  • 子の氏の変更許可申立(このうじ):氏変更の家裁許可事件名。

6) 調停条項で実際に書かれる定番条項名(コピペ用の見出し)

離婚・身分

  • 離婚条項(りこんじょうこう):離婚する旨の条項。
  • 親権者指定条項(しんけんしゃしてい):親権者を定める条項。
  • 監護者指定条項(かんごしゃしてい):監護者を定める条項。
  • 面会交流条項(めんかいこうりゅう):面会の方法・頻度等を定める条項。

お金

  • 婚姻費用条項(こんいんひよう):婚費の金額・始期等を定める条項。
  • 養育費条項(よういくひ):養育費の金額・始期等を定める条項。
  • 財産分与条項(ざいさんぶんよ):分与対象・金額・方法を定める条項。
  • 慰謝料条項(いしゃりょう):慰謝料の金額・支払方法を定める条項。
  • 年金分割条項(ねんきんぶんかつ):年金分割の合意内容を定める条項。
  • 清算条項(せいさん):金銭関係を清算して残債務がない旨の条項。

支払運用

  • 支払方法条項(しはらいほうほう):振込先・期日等を定める条項。
  • 分割払条項(ぶんかつばらい):分割回数・毎月額等を定める条項。
  • 期限の利益喪失条項(きげんのりえきそうしつ):不履行時に一括請求できる条項。
  • 遅延損害金条項(ちえんそんがいきん):遅延時の損害金を定める条項。

その他(家裁調停でも入ることがある)

  • 接触禁止条項(せっしょくきんし):連絡・接触を制限する条項。
  • 住居・転居に関する条項(じゅうきょ):住所秘匿・転居連絡等の条項。
  • 合意管轄条項(ごういかんかつ):申立て裁判所の合意(可否は事件類型次第)。
  • 費用負担条項(ひようふたん):手続費用等の負担を定める条項。

7) 履行確保(家裁でよく出る実務名

  • 履行勧告申出書(りこうかんこくもうしでしょ):履行勧告を求める書面。
  • 履行命令申立書(りこうめいれいもうしたてしょ):履行命令を求める書面(対象事件あり)。
  • 間接強制申立書(かんせつきょうせいもうしたてしょ):間接強制を求める書面。
  • 強制執行申立書(きょうせいしっこうもうしたてしょ):差押え等を求める書面。
  • 債務名義(さいむめいぎ):執行の根拠(調停調書・審判等)。

 

離婚の方法(協議/調停/審判/裁判)――「話す前に決める」「動く前に揃える」

離婚は「別れる手続」ではありません。
現実には、離婚は 親権(単独/共同)監護面会交流養育費財産分与慰謝料年金分割、そして必要なら 保全・執行までを一気に整理する「法的清算」です。

そして最大の落とし穴は、相手に話した瞬間から相手が動くことです。
財産を移す、証拠を消す、弁護士を付ける、子どもの生活環境を固める。ここまで来ると、こちらが後追いになりやすい。

だから私は、最初にこう確認します。
「本当に闘う準備はできていますか。話すのは最後。動くのは一回でいい。」


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離婚はどのようにして行いどのような効果を生むのか?
民法第763条 (話し合い離婚)
夫婦は、その協議で、離婚することが出来る。 話し合いが一方的な場合(強要・強制)の場合は離婚は無効となります。 

1) まず決めるべき“ゴール設計”
離婚する/しない(別居継続・調停へ移行も含めて)
いつ離婚するか(届出日、別居開始日、退去日)
何を先に決めて、何を調停に回すか
例:「親権と面会だけ先に合意、金銭は調停」など
※「全部その場で決める」は揉めます。決める範囲を先に合意すると進みます。

2) 子どもがいる場合は最優先(ここが本丸)
親権・監護(誰が主に育てるか)
親権者(離婚届に必須)
監護の実態(送り迎え、病院、学校対応、生活基盤)
面会交流(頻度・方法・ルール)
回数(例:月2回)/時間/場所
受け渡し方法(第三者立会い、施設利用など)
連絡手段(LINE/メール)とルール
体調不良・行事・受験期の調整
子が拒否した場合の扱い(無理に強行しない等)

養育費 (算定基準表をベースとする)
金額、支払日、振込口座
いつまで(原則20歳、大学卒までなどの合意も)
進学・医療・習い事などの特別費の分担割合
変更ルール(収入変動・再婚・転職時)

3) お金:揉めるのはここ。項目を分解して詰める
財産分与(夫婦で築いた財産の清算)
対象財産の棚卸し
預金・株・保険・不動産・車・退職金見込・事業資産・ポイント等
基準日(別居日 or 合意日など)←超重要
分与割合(原則1/2が多い)
支払方法(分割・一括)と期限
慰謝料(不貞・DV等がある場合)
金額
支払期限・分割条件
清算条項(「これで一切解決」)
口外禁止や接触禁止を入れるか(必要なら)
年金分割
合意分割(割合、手続き、期限)
※離婚後の手続期限があるので要注意
生活費(婚姻費用)・別居中の負担
別居中の生活費、家賃、学費、保険料
住宅ローンがある場合の支払い担当

4) 住まい・名義・ローン(事故りやすい地雷)
誰が家に残るか/退去日
家具家電の持ち出し範囲
住宅ローン:名義・連帯保証・連帯債務の整理
賃貸:契約名義変更、原状回復、敷金精算

5) 連絡・トラブル防止の“運用ルール”
連絡手段は一本化(LINEのみ等)
連絡頻度、緊急時の定義
親族介入の禁止(入れるなら明記)
SNS投稿・誹謗中傷の禁止

6) 合意の「形」:口約束は事故る
協議離婚は、合意内容を文書化しておくのが実務の安全策です。
重要:養育費・慰謝料・財産分与などの金銭支払いは強制執行できる形が望ましい
※一般に 公正証書(強制執行認諾条項付き) 作成時には送達証明と受領書を必ずつけること
最低限、合意書には
当事者・日付
各項目の金額、期限、振込先
変更条件
清算条項を入れます。

7) 話し合いの進め方(揉めない型)
子ども(親権・監護・面会)
養育費(算定基礎と特別費)
財産の棚卸し→基準日→分与
慰謝料・年金分割
住まい・連絡ルール
文書化(公正証書含む)
※単独親権を求める場合は、離婚の合意、親権だけ決めあとは調停でも可能です。