・調停

調停とは
調停とは、裁判所の調停委員に互いの事情を説明した上で、解決策の提示を求める制度です。調停委員は男女1名ずつで構成され、弁護士や大学教授などの養育費問題に詳しい専門家が務めます。

金額が争点
養育費の金額は、基本的には裁判所が制定した「算定表」を基準に計算されます。算定表以上の金額を要求したい場合や、相手が算定表以下の金額を主張する場合などには、それぞれが自身の主張を調停委員に伝え、調停委員が妥当と思われる金額を提示し、合意を図る流れとなります。

代理人の可否
調停には、原則として当事者双方の出席が求められますが、養育費調停においては、弁護士が代理人として出席することも可能です。調停は平日に行われるため、場合によっては出席が困難な場合があるでしょう。弁護士に依頼すると当然費用はかかりますが、成功報酬で黒字になるように料金設定しているケースも多くなっています。


・調停の流れ

・以下のステップを通じて調停の流れを説明します。

事前準備・書類の提出
調停の実施
調停成立・審判への移行(不成立の場合)
申立で提出する書類を準備します。
未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
申立人の収入に関する資料(源泉徴収票写し,給与明細写し,確定申告書写し等)
それらの準備ができたら、以下の書類をダウンロードする、または近くの裁判所に取りに行き、必要事項を記入します。

養育費調停申立書とそのコピー1通
連絡先等の届出書
事情説明書
進行に関する照会回答書
相手と会うと暴力を振るわれる危険性がある場合などには、帰宅時間を変更するといった配慮をしてもらえるので、「進行に関する照会回答書」にその旨を記載しましょう。また、連絡先を相手に知らせたくない場合は、これに加えて「非開示の希望に関する申出書」を作成しましょう。

申立に必要な費用
上記の書類に加え、申立の際には以下に示す収入印紙・郵便切手が必要です。

収入印紙:1200円分(子ども1人につき)
郵便切手:800?1000円(裁判所によって異なる)
養育費の調停を申し立てるのにかかる費用は、子ども1人の場合には、約2000円になります。

書類の提出先
全ての書類が用意できたら、相手方の住所を所轄する家庭裁判所に提出します。
相手と連絡が取れず、住所が分からない場合は、相手の戸籍情報から確認できる可能性があるので、まずは相手が住んでいた市区町村役場に問い合わせましょう。
不可能であれば、弁護士会を通した照会制度23条の2を利用することで特定できる可能性もあります。弁護士会照会制度は、必要性が認められた場合に、弁護士会から官公庁や企業に情報開示を請求することができる制度です。相手方の住所が不明な場合には、弁護士に相談するとよいでしょう。

調停期日の決定
裁判所は申立を受理した後、調停の期日を決定し、双方に調停期日呼出状を送付します。万一、指定された日に都合がつかない場合は、期日変更を申請することができますので、早めに裁判所に連絡しましょう。

調停当日の流れ
裁判所に行くと、まずは待合室に通されます。待合室には二人別々の部屋が割り当てられますが、相手と会いたくない場合には、出廷の時間を調整し、退廷時間もずらしてもらうよう手配しましょう。
指定された時間になると、最初に双方同席の上、説明を行います。同席を拒むこともでき、その場合には一人ずつ所定の部屋に呼び出されます。申立人は調停委員に対し、調停を申し出た理由や自身の主張を説明します。調停委員からも、事前に送付した資料や、現在の状況に関する質問が出されるので、それに対して回答を行います。
一度入室すると30分程度面談が行われ、続いてもう一方が同じく30分ほど面談をします。双方の主張を聞いた調停委員が、同じ流れをもう一度繰り返します。1回の調停につき、2時間程度かかることが一般的です。

調停がその日だけではまとまらず、引き続き話を聞く必要があると判断された場合には、調停は次回以降に持ち越しとなります。その場合は、調停の最後に次回の日時を決めて終了となります。以降、調停の成立・不成立が決定するまで、この流れを繰り返します。


・調停成立・不成立と審判

調停成立・不成立と審判

調停委員が双方の話を聞いた上で解決策を提案し、合意が得られた場合には調停成立となり、調停調書が作成されます。両者の合意が不可能と判断されると、調停は不成立となります。この場合は審判を受けることとなり、最終的な判断を裁判所に委ねることとなります。

決定が有する拘束力
調停でまとまった、もしくは審判で下された内容は、「調停調書」「審判書」として書面に残り、公正証書や判決文等と同様の法的拘束力を持ちます。もしも相手が養育費を支払わないような場合には、これらを基に給与の差押えなどの強制執行が可能です。

・調停を有利に進めるには

調停委員は、双方の話を聞いた上で、中立な立場から調停を進めます。必ずしも請求者の力になるわけではないので、有利な結果を得るためには、自身の主張を調停委員に納得してもらえるように働きかけることが重要です。

主張に合わせた証拠を用意する
自身の主張が妥当であると認められるような証拠を用意しましょう。特に、相場から離れた養育費の金額を設定したい場合には、双方の経済状況に加え、学費、進路希望、健康診断など、養育費の必要性が分かるような証拠が必要です。

陳述書を作成する
調停を申し立てる際に、必要書類に添えて「陳述書」の提出が可能です。陳述書では、要求する金額がいかに正当性のあるものかを客観的に記述します。以下のような流れで書くとよいでしょう。
婚姻時には養育費に当たる出費がどの程度だったのか
婚姻時と現在で生活状況にどのような変化があるか
将来予測される養育費の金額とその根拠
要求したい金額と支払い方法

相手を攻撃する文面になってしまうと、かえって調停委員の印象を悪くします。生活状況を示す客観的な証拠をなるべく用意し、調停委員が納得しやすい書面を作るように心がけましょう。


・調停の場でできること

調停委員と上手なコミュニケーションを行うことが、解決案を考えてもらう上で重要なポイントです。しかし、いざ話をする場面になると、思わず感情的になってしまい、話すべきポイントを見失ってしまうことも考えられます。そのため、事前に自身の主張とその根拠をまとめ、準備しておくとよいでしょう。

適切な養育費を受け取ることは、子どもが成長していく上でも重要です。調停を行うにあたっては事前の準備が大切ですが、実際に主張が認められるかどうかは、それぞれの調停委員によるところが大きいです。特に、算定表の相場を超えた金額を要求する、双方の主張が真っ向から対立している、といった場合には、解決が難しくなります。自身の主張を客観的にまとめながら進めていくのが難しいと感じたら、弁護士に相談するのも一つの方法です。


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